教育改革2020

どうする・どうなる!?2020年。保護者視点で分析する教育改革。調べてわかったことを中心にまとめています。

首都圏SSH・SGHの指定校およびその中間評価から見えてきたもの

 首都圏のSSH(スーパーサイエンスハイスクール)とSGH(スーパーグローバルハイスクール)の指定期間と中間評価の結果について2回にわけて記事にしました。

kyoiku.chichioya.jp

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 今回は、上記2つの記事を通して得られた発見や疑問をまとめてみたいと思います。

 なお、あらかじめお断りしておきますが、この記事に書かれた見解は、僕個人がネットから得た情報をもとに組み立てた単なる仮説です。行政からの情報が中心なので、元となっている情報そのものが誤っている可能性は低いですが、つぶさに1次情報にあたって裏をとっているわけではありませんし、情報加工作業やそこから出発した推論で間違っている可能性は十分にあります。何かの判断材料にする際には、十分にお気をつけくださいね。

 …と十分な予防線を張ったうえで、いざ、まいります。

 

■ 目次

 

SSHおよびSGH指定校一覧( 首都圏 / 高校募集校のみ )

まずは、首都圏のSSHとSGHの一覧とその評価まとめた表をもう一度見てみましょう。

《SSH指定校一覧》

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《SGH指定校一覧》

http://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/k/knockout_kazu/20180122/20180122110511_original.png?1516586733

 

東京は国立、神奈川・千葉・埼玉は公立が地域をリード? 

 国立大学附属学校はその使命のひとつに「実験的・先導的な教育課題への取組」があります。SSHやSGHのような先進モデルの開発に貢献するのは重要な責務のひとつでしょう。実際に、東京にあるほぼすべての国立大学附属高校が少なくともSSHかSGHのいずれかに指定されています。

 一方、神奈川・千葉・埼玉には高校の国立大学附属学校がありません。いきおい、力のある公立学校が中核的役割を果たし、その地域を牽引していることがわかります。

 …という事情を勘案してもなお、東京の都立高校がもう少し目立ってもいいのではないかと感じるのが正直なところです。特に、SGHにおいては、都立高校が1校も入っていません。SGHアソシエイトを入れても、です。都立国際高校はまた違った使命をもっているのかもしれませんが、例えば、国際化に力を入れているとされる都立西高校や力のある都立国立高校などは名を連ねてもおかしくないのではと個人的には思います。

 

国立大学附属高校もさまざま

 同じ筑波大学の附属校でも、SSHには附属駒場が、SGHには筑波大学附属(以下、筑附)と附属坂戸がそれぞれ指名されています。筑附はSGHの幹事校でもあります。同じ系列のなかでミッションの分担がなされているのでしょうか。このことが各校のカリキュラムにどの程度影響しているのか気になるところです。

 東京工業大学附属科学技術は理数教育のイメージが強いですが、SSHとSGHの両方に指定されています。意外 意欲的ですね。

 お茶の水女子大学附属は「社会でグローバルリーダーとなるための女性教育の実践的なモデル校となることが期待される」という評価。しかしながら、女子向けSTEM教育の拡充が急務となっている昨今、欲を言えば、理数教育開発にもいっそう力を入れてほしいところです。(一昨年、筑波大学と大学間連携協定を締結、附属学校も対象とし、幼児教育から大学院まで包括した連携を目指すとされていますので、何らか棲み分けの構想があるのかもしれませんが)

 そして、ちょっと気になるのが、東京学芸大学附属です。SSHでは下から2番目のDランクと低評価。SGHはアソシエイト校としての立場にとどまっています。

 国立大学附属学校には大きくわけて「教員養成系大学附属学校」と「非教員養成系大学附属学校」の2種類があり、「教員養成系大学附属学校」は教員養成や現代的教育課題への取り組みを、「非教員養成系大学附属学校」は実験的・先導的な教育開発・実践を、主に期待されているように思います。その意味では、先に挙げたような「非教員養成系」にあたる学校と違い、東京学芸大学附属は「教員養成系」にあたりますので、SSHやSGHは主戦場ではない、と一応のフォローはできるかもしれません。

 

渋幕と渋渋の違いはどこから?

 渋谷教育学園幕張といえば、ハーバード大学やプリンストン大学など米名門大学にも進学者を輩出している全国有数の国際派進学校です。そんな名門校がSGHの中間評価で下から2番目のDランクとはいささか意外です。余談ながら、高校募集がないので上記の表には載っていないのですが、同じ系列の渋谷教育学園渋谷は中間評価で最高のSランク。な ん で こ う な っ た と言わざるをえません。

 

さいごに

 首都圏では中学受験が過熱傾向にあり、公立学校が私立中高一貫校に押される状況が続いています。また最近では、公立中高一貫校の台頭もあり、中高6年間をひとまとまりとした人間形成・学力伸長がトレンドになりつつあるのも感じるところです。

 しかしながら、全体で見るならば、いまだ公立中学校に進学し、高校受験を目指す層が圧倒的多数です。中高一貫校とはまた違った教育手法の開発と実践のノウハウが蓄積され、広く展開されることによって、両者競い合う状況となり、全体としてより良い教育環境につながっていってほしいと切に願うところです。